われわれは今何をしなければならないか : 機械系学科の教員の一人としての反省と私案
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概要
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社会が大学や大卒者に期待しているものは何かということを考えてみたい。大学は競争原理が支配する社会の実態を知悉しつつ、その社会にとけこみ、リードし、社会の福祉と繁栄のために貢献していくという確固たる意志を持った有為の人材を育て上げることをその使命としている。そしてこの教育と併せて、大学は学生に、なりたい自分を社会や他者との関係においてとらえさせ、それに近付く努力に対して支援を惜しまず、「自分自身で考える」達成型の学生を育てることが必要である。また大学自身としては現状を肯定することなく、将来を見据え、いかにあるべきかについて恒常的に思いを巡らし、必要とされる対策は直ちに実行に移されなければならない。昨年秋に示された大学審議会答申「21世紀の大学像と今後の改革方策について」に強調されている国際的通用性・自学力・思考力の育成、基礎と基本の重視などは、その結果として手中にできるものである。そしてさらに現実問題として永続的な少子化に加え、最近の高校生の理工系離れ(とくに機械系にそれが目立つ)、景気の低迷に伴う私立校受験に対する忌避、さらには卒業後の就職難など、私たちを取り巻くさまざまな要素に対する焼眉の対策が求められている。これらのマイナス要素を克服して、私たちの周囲に明るい未来を招来するためには、学部としての特徴の創出などに向かって、教職員、学生がアイデァを出し合い、それを全員の討議にかけ、決定したことをとにかくまず実行してみる、そして結果をチェックし、さらにアクションをとるという繰り返しを、全員の真摯な努力と緊密な連携によって実現することである。本論説はこのアイデァを掘り起こす際の参考とするために、筆者の反省をまじえて、主として教員がいかに、そして何を教えるべきかということに重点を絞って、私見を述べたものである。適切な対応が早急に取られない限り、私たちに未来はないと考えている。
- 1999-10-25
著者
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