トウモロコシの稈汁ブリックス値と推定糖含量に見られた相加・優性効果と形質間相関
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
飼料用トウモロコシの稈汁ブリックス値は茎葉消化性の育種的改良を進める上での指標形質として着目されている。本報では,稈汁ブリックス値およびこれと乾物率から算出した推定糖含量について世代平均分析により相加・優性効果の推定を行うとともに,稈汁ブリックス値の稈乾物率による補正の安否を検討した。Na26×Oh43HtとNa7×Oh43Htの自殖系統間の2組合せについて両親,F_1,F_2,B_1,B_2を対象に世代平均分析を行った。稈汁ブリックス値と推定糖含量では共に優性効果よりも相加効果が重要であることが示された。各分離世代の個体間で稈汁ブリックス値と推定糖含量との間に認められた相関は,r=0.608^<**>〜0.977^<**>と高かったが,ブリックス値が9〜10%以上でやや低い傾向が認められた。これらのことから,高稈汁ブリックス値系統の選抜は比較的容易であると推察され,F_1組合せの稈汁ブリックス値は両親系統の平均値にほぼ近似すると考えられた。また,高茎葉消化性系統の簡易選抜は,まず稈汁ブリックス値によって多数系統を一次評価した後,少数の選抜系統を対象に推定糖含量による二次評価を行えば,的確に実施できると考えられた。
- 日本草地学会の論文
- 1995-01-31
著者
関連論文
- サイレージ用トウモロコシの親自殖系統「Mi62」の育成とその特性
- トウモロコシにおける稈汁ブリックス値の系統間差異と収量関連形質との関係
- 引倒し力測定法によるトウモロコシ系統の耐倒伏状性評価
- トウモロコシ日本在来品種の葯培養による胚様体及びカルスの形成と再分化〔英文〕
- 3-27 トウモロコシ育種試験における茎葉消化性評価のための標準サンプルの作成と利用
- サイレージ用トウモロコシ新品種「ゆめつよし」の育成とその特性
- サイレージ用トウモロコシの新品種「ゆめちから」の育成とその特性
- トウモロコシ南方さび病抵抗性の春播き接種検定法
- (34) 自殖系統Tzi 15のトウモロコシ南方さび病抵抗性について (関西部会)
- 飼料用トウモロコシ品種における南方さび病の発生と部位別収量
- サイレージ用トウモロコシのF1親自殖系統「Mi47」の育成
- 暖地向きサイレージ用トウモロコシの国産優良品種の育成
- サイレージ用トウモロコシのFI親自殖系統「Mi29」の育成とその特性
- サイレージ用トウモロコシの新品種「ゆめそだち」の育成とその特性
- トウモロコシの転び型倒伏抵抗性に見られたデント種およびフリント種自殖系統間の組合せ能力
- 3-24 スィートソルガムのハイブリッド育種に関する基礎的研究 : 2. 育種素材における糖生産力の組合せ能力とその選抜効果
- 3-23 トウモロコシ自殖系統における折損抵抗性と稈の組織構造との関係
- 引倒し力によるトウモロコシの転び型倒伏抵抗性の非破壊・計量的検定法
- サイレ-ジ用トウモロコシのF1親自殖系統「Mi19」の育成とその特性
- サイレ-ジ用トウモロコシの新品種「はたゆたか」の育成とその特性
- サイレ-ジ用トウモロコシのF1親自殖系統「Mi23」の育成とその特性
- サイレ-ジ用トウモロコシの新品種「さとゆたか」の育成とその特性
- トウモロコシのカリビア型日本在来フリント種に見られた集団改良による耐倒伏性の向上
- トウモロコシの稈汁ブリックス値と推定糖含量に見られた相加・優性効果と形質間相関
- サイレージ用トウモロコシのF1親自殖系統「Mi44」の育成とその特性
- トウモロコシの稈汁ブリックス値と推定糖含量の系統間差異に見られた部位別変動
- トウモロコシの転び型倒伏抵抗性にみられた相加・優性効果
- サイレージ用トウモロコシの親自殖系統「Mi62」の育成とその特性