トウモロコシにおける稈汁ブリックス値の系統間差異と収量関連形質との関係
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概要
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最近,トウモロコシの稈の消化性を簡易に推定するための指標として稈汁ブリックス値が有効に利用できることが明らかにされた。そこで,本試験では稈汁ブリックス値について,その系統間差異,F_1と親自殖系統との関係,および収量関連形質との関係を検討した。自殖系統およびF_1のいずれでも,稈汁ブリックス値には顕著な系統間差異が認められた。稈汁ブリックス値は,自殖系統ではフリント種に,F_1ではデント種×フリント種の組合せに高いものが多かった。F_1の稈汁ブリックス値と中間親との間には有意な正の相関が認められた。このことから,稈汁ブリックス値は遺伝的形質で,稈汁ブリックス値の高い自殖系統を用いることにより茎葉の消化性が高いF_1の育成が可能であると推察された。一方,F_1の稈汁ブリックス値は,早晩性とは有意な相関がなかったが,茎葉乾物率および乾物茎葉重との間には正の相関が認められた。また,稈汁ブリックス値は乾物雌穂重割合との間に負の相関を示したことから,これを指標として茎葉消化率を改良する際には雌穂収量の低下を招かないように留意する必要があると考えられた。
- 日本草地学会の論文
- 1994-10-31
著者
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