保育実習に関する学生の意識について : 実習不安を中心として
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概要
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本研究は、学生が実習に対して抱く不安感や期待(忌避)感の構造とその水準、およびそれらの関連を明らかにすることにより、実習学内指導のあり方を検討するための基礎的資料を収集することを目的とし、パイロットスタディとして試みたものである。質問紙調査によるデータの分析の結果、(1)実習不安感の構成要因として、4因子(「指導」「人間関係」「事前理解」「活動内容」)が抽出され、指導責任や人間関係の構築に関する因子についてとくに不安水準が高いことが明らかになった。(2)期待感については、「実習忌避(逆転項目による因子)」「意義」「出会い」の3因子構造が得られ、実習の意義についての認識の高さが認められた。一方で、調査対象の約2割に強い忌避感が示された。(3)調査実施時点までの何らかの保育体験の有無や実習開始までの期間の違いにより、実習に対する不安感・期待感・忌避感に有意差やその傾向が認められた。さらに、忌避感と「不安度」およびその各下位尺度との間に有意な正の相関が認められ、不安の水準が高いほど、実習を回避・忌避する感情も強いことが明らかとなった。以上より、実習前に見学やボランティア等により保育実践に触れることの有用性や、実習実施の近づく時期に助言指導の機会を設けることの必要性、各学生の不安の構成要因やその水準を捉えた、個別の事前指導が実習回避の抑止に繋がる可能性について示唆された。
- 淑徳短期大学の論文
- 2007-02-25
著者
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