障害者自立支援法と小規模作業所 : 事業体系移行を巡る課題検討
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概要
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本稿では、筆者ら調査グループが実施した事業所ガイドづくりに向けた小規模作業所に対するインタビュー調査に基づき、障害者自立支援法施行を巡る小規模作業所の活動状況や施設を取り巻く社会的環境、今後の方向性について明示するものである。さらにそれらの調査結果を踏まえて小規模作業所の事業体系移行に向けた課題について、全国統計の資料分析とともに検討を行った。本調査の結果から障害者自立支援法施行後の動向として、地域活動支援センターIII型への移行希望が多い中で小規模作業所の事業体系移行の開始直後ではほどんど進展が見られていないこと、そうした中での小規模作業所の事業体系移行に向けた課題として、事業設計にかかる財源の不安や事業体系移行に必要な定員確保のあり方に課題があること、特に利用者負担による利用者の負担感から定員確保の課題にも影響があり、利用者負担が大きい中での事業の利用動向から日額払いの報酬単価の設定の中で事業経営面での不安につながりやすいことを見出すことができた。また利用者負担については各市町村自治体による負担軽減策の実施をより一層推進していく必要があることを考察できた。小規模作業所の事業体系移行については十分な移行準備期間ときめ細かな支援推進策が実際に求められている。
- 2007-03-31
著者
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