自己主体感における自己行為の予測と結果の関係 : 行為主判別に対する学習課題を用いた検討
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概要
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本研究の目的は,自己主体感の生起メカニズムを考察し,それに対する学習の効果を検討することであった。自己主体感とは,ある行為を自分自身でしている,という感覚のことである。フォワードモデルでは,自己主体感は「実際の結果」が「結果の予想」に合致するときに生起されるとしている。本研究では,キー押しをすると音が鳴る,という仕組みを用いた。その結果,「時間差知覚」と「自己主体感」は同じものではないことが示された。これはフォワードモデルを支持するものであった。また学習の結果,より高い自己主体感を報告するようになったが,時間差知覚には学習の効果はなかった。これは学習によって「実際の結果」ではなく,「結果の予想」が変わったために,その結果として自己主体感が変わったと示唆するものであった。本研究はフォワードモデルによる自己主体感の生起モデルの妥当性と,学習が自己主体感に影響をあたえることを示した。
- 日本パーソナリティ心理学会の論文
- 2007-09-20
著者
-
丹野 義彦
東京大学 大学院総合文化研究科
-
丹野 義彦
東京大学教養学部
-
浅井 智久
東京大学総合文化研究科
-
丹野 義彦
東京大学総合文化研究科
-
浅井 智久
千葉大学:日本学術振興会
-
丹野 義彦
群馬大学医学部
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