リスクとリターンの実証分析 : 行動ファイナンスによるアプローチ
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論は、日経225株価指数、及び追加型株式投資信託の日次データを用いて、価格収益率とボラティリティの関係について実証分析を行っている。危険資産のリターンが負の場合は、正の場合に比べてそのリスクが大きいという負の因果性が見られるか否か、ノンパラメトリックな回帰分析を用いて実証するとともに、その理論的分析をプロスペクト理論を用いて行っている。結果、日本の株式インッデクス、及びインデックス連動型の投資信託にはこの負の因果性が見られ、プロスペクト理論における価値関数がその投資家行動を説明しうることを示した。しかし、分配回数の多い人気投資信託や収益性を重視した投資信託には両者の明確な因果性が見られず、特に、前者はリターンの大きさに関係なく、低いリスク水準を一定に保っていることがわかった。これは、分配型投資信託が人気商品になっている要因の一つであると考えられる。
著者
関連論文
- 価格ボラティリティと原油備蓄 : SWARCH, KERNELモデルによる実証分析 (岩田暁一教授退任記念号)
- 為替レートのボラティリティが貿易量に与える効果-SWGARCH-Mモデルによる実証分析-
- 企業の不確実性と投資家行動 : 鉄鋼業と電力・ガス業のパネル分析
- リスクとリターンの実証分析 : 行動ファイナンスによるアプローチ
- 企業の不確実性と投資家行動 (公開セミナー特集号)
- 日経225株価指数と先物・オプション価格との関係 : 非線形共和分検定による実証分析
- 派生商品市場の取引量と価格変動の不確実性 : 日本の株式市場における実証
- Cash Stock Volatility and the Option Volume: Empirical Tests in the Japanese Markets (Special issue: scenarios for economic rebirth of Japan and merits and demerits of market system)
- A nonparametric test of a storage theory: Japanese oil markets
- 外国為替市場における効率性検定
- 外国為替市場における効率性検定
- Option Pricing Models: Stochastic Interest Rates and Volatilities
- The Japanese Stock Rate of Return and Volatility: A Comparison of Methods to Estimate Volatilities
- スプレッド・オプション評価公式を用いた裁定取引の可能性 : 電力市場のケース