チモシー(Phleum pratense L.)品種の生育とin vitro乾物消化率に及ぼす窒素ストレスの影響
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概要
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チモシー品種の環境適応性に関する研究の一環として,施肥窒素ストレス(S_<NC>)が,チモシー品種の生育とin vitro乾物消化率(DMD)に及ぼす影響を検討した。5品種をポットに移植し,50日間温室で栽培した。窒素(N)施肥量をポット当り硫安0-6gまでの7処理とし,GREENWOODの方法からS_<NC>を求めた。乾物重に対するS_<NC>は,N施肥により減少し,N過剰施肥により増加した。葉身重は他の部位と傾向が異なり,N無施肥によるS_<NC>に比較的弱いと考えられた。品種間並びにN施肥量と品種の交互作用に有意性が認められず,乾物重に及ぼすS_<NC>の影響は,供試5品種でほぼ同傾向と推測された。一般に育成品種の環境適応性は育成地の環境に影響されるが,供試品種中4品種が同一試験地で育成されていることから,施肥Nに対する品種の分化が比較的小さいものと考えられた。草丈のS_<NC>は他の形質と傾向が異なり,N施肥によるS_<NC>の減少は認められなかった。収穫時の茎葉DMDはN施肥により増加し,茎部DMDと類似の傾向を示した。N施肥量と品種の交互作用に有意性が認められ,DMDの選抜においてN施肥量の影響を考慮する必要があろう。茎葉粗蛋白質含有率はN施肥により増加した。
- 日本草地学会の論文
- 1995-07-30
著者
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