頭蓋咽頭腫のガンマナイフ治療 : 長期成績について(<特集>頭蓋咽頭腫,頭蓋底髄膜腫)

概要

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当ガンマナイフセンターにおいて治療された頭蓋咽頭腫125例のうち,6ヵ月以上の経過観察が得られた168例について長期成績を報告する.腫瘍の平均径は19mmであり,平均の最大線量は22.1Gy,辺縁線量は11.6Gyであった.3〜6ヵ月ごと,平均63ヵ月の経過観察により,腫瘍の消失が9例,著明な縮小61例,軽度縮小1例,不変19例,増大18例であり,腫瘍の奏効率,コントロール率はそれぞれ65%,83%となった.この間,神経内分泌症状では症状の改善18%,不変53%,悪化15%であり,死亡8%,不明7%であった.ガンマナイフ治療により長期にわたる腫瘍のコントロールが得られ,手術後の残存腫瘍,再発に対してきわめて有効と考えた.しかしながら,なお治療後の再発例も少なからず認められており,治療に際しその適応の決定が重要である.特に充実性の小病変がガンマナイフ治療の最もよい適応であり,腫瘍の完全消失を期待できる.結論として,microsurgeryによる腫瘍の十分な摘出と,それに続く残存腫瘍へのradiosurgeryは,頭蓋咽頭腫に対する最も有効な治療法と考えられる.
日本脳神経外科コングレスの論文
2007-06-20