頭蓋底髄膜腫に対するガンマナイフの長期治療成績

概要

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過去10年間に150例の頭蓋底髄膜腫にガンマナイフ治療を行った.そのうち106例に治療後3年以上(平均48.2ヵ月)の追跡調査を行い,その治療効果を検討した.全体の腫瘍体積の変化は縮小44例,軽度縮小9例,不変42例,増大11例で,奏効率41.8%,腫瘍制御率89.6%, 増大率10.4%が得られた.頭蓋底髄膜腫の部位により治療効果が異なることが示唆され,小脳橋角部,海綿静脈洞-傍按部腫瘍で奏効率が高く,制御率は小脳構角部,テント部腫瘍で高い.しかし治療後再増大は海綿静眠潤-傍按部,錐体-斜台部腫瘍でみられた.増大率は観察時期により異なり,3年以下で0%, 3年以上で10.4%, 5年以上で18.2%と増加した.増大に関与する因子として,腫瘍体積が大きい,照射線量が少ない,部位として海綿静脈洞-傍按部,錐体-斜台部が多い,腫瘤の悪性度等が挙げられた.副作用は4例(4.6%)に認められ,視障害,放射糠浮腫が各1例.聴力障害2例であった.
日本脳神経外科コングレスの論文
2003-05-20