歯科用合着用セメントを用いた異なった破壊靭性試験法の関係

概要

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異なった試験法により同じ材料の破壊靭性を評価するとき,求められた破壊靱性値(K_<Ic>)には多少の違いが生じる.本研究の目的は,2つの破壊靭性試験,Single-edge notched beam (SENB)とNotchless triangular prism (NTP)の数値的関係について6種の歯科用合着用セメントを用いて評価するものである.3種のレジン添加型グラスアイオノマーセメント(RI, RV, RF)と2種の従来型グラスアイオノマーセメント(GR, GM),およびリン酸亜鉛セメント(ZP)である.2つの試験により測定されたK_<Ic>は,それぞれのセメントにおいてt検定により比較し,2法の相関については,単回帰分析とAkaike Information Criterion (AIC)により評価した.RI, GMとZPに,2方法間で有意差(p<0.05)を認めた.SENBとNTPは高度に有意な相関(R^2=0.99)を認め,その関係式は,K_<Ic>=1.23 K_<Ic>S-0.07で表された.また,この関係についてはAICにおいても同様の傾向が認められた.このことにより,NTPによるK_<Ic>NはK_<Ic>Sの1.2培を示した.
日本歯科理工学会の論文
2007-05-25