雑音低減のための複素周波数領域における参照再構成法(第8回音声言語シンポジウム)

概要

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雑音が入力に混入した場合の自動音声認識の性能を上げるべく,本稿では音声に雑音が重畳した単一チャネルの信号から音声のみを抽出する手法について述べる.このとき,入力信号と同じ話者の異なる発話を小規模のデータベースとして用いることができるものと仮定した.著者らは[1]において同様の問題に対し,ある尺度で入力フレームと類似しているフレームをデータベース内から抽出し,その抽出したフレームを参考にして出力を得るという手法を提案しているが,本稿ではさらにその類似尺度と出力方法の改良法を報告する.改良の要点は,短時間フーリエ変換後の位相情報をそのまま保持しておくことと,そこにバイナリマスクをかけることの二点である.従来,位相情報は絶対値処理により捨てられていたが,著者らは雑音低減には有用であろうと判断した.また,そこにバイナリマスクをかけることは,時間領域の信号から雑音成分を取り除くこととほぼ等価である.性能評価をするために雑音にSNR0dBの器楽曲および環境雑音を用いて単語認識実験をおこなったところ,約58%の単語正解率が得られた.ただし,有声音区間・無声音区間・無音区間の判定はまだ自動化されていない.
一般社団法人情報処理学会の論文
2006-12-21

雑音低減のための複素周波数領域における参照再構成法(第8回音声言語シンポジウム)

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