第43次南極地域観測隊気象部門報告2002
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概要
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この報告は,第43次南極地域観測隊気象部門が,2002年2月1日から2003年1月31日まで,昭和基地を中心に行った気象観測結果をまとめたものである.観測方法,測器,統計方法等は,第42次隊とほぼ同様である. 越冬期間中,特記される気象現象として,次のものが挙げられる.1) 地上気象観測では,5月から10月にかけて気温が平年より高く,月平均気温の高い方,日最高気温の月平均の高い方,日最低気温の月平均の高い方の極値の更新があった.また9月中旬にあったA級ブリザードは,最大瞬間風速57.9m/s, 最大10分間平均風速45.4m/sであった.これは9月として1位,通年の統計でも3位の強風であった.2) 高層気象観測では,成層圏突然昇温が例年より早く発現(7月上旬)し,9月末には,南半球では初めて観測された極渦の2分離を伴う成層圏大突然昇温が起こった.3) オゾン全量観測においては,8月上旬から10月中旬にかけてオゾンホールを観測したが,10月下旬以降はこの20年間の平均よりも多い値で推移した.
- 2007-03-28
著者
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木津 暢彦
気象庁
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金濱 晋
気象庁
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鎌田 浩嗣
気象庁
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上野 圭介
気象庁
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長井 勝栄
気象庁
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木津 暢彦
高層気象台
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木津 暢彦/林
気象庁/福岡大学理学部地球圏科学科/情報・システム研究機構国立極地研究所/金沢大学フロンティアサイエンス機構産業技術総合研究所/
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