日本における民間消費の過剰反応と財政政策の非ケインズ効果 : 政府債務削減が家計の消費行動に与える影響を中心に
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概要
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本稿では日本の1980年以降の年次データから、近視眼的消費行動をとるタイプの消費者の流動性制約仮説と、合理的行動をとるタイプの消費者の消費支出と政府消費支出が代替的であるか補完的であるかを同時に検証するモデルを用い、消費の過剰反応及び政府支出の代替性・補完性を表すパラメータが財政事情などの要因により影響を受けるかを実証的に考察した。その結果、「民間消費」の概念にもよるが、(1)日本にも前者のタイプの消費者が存在し、政府の財政事情が悪化した場合にはその過剰反応の程度は引き下げられること、(2)政府が累積債務を抱えている場合には政府消費支出の拡大に対して後者のタイプの消費者は消費の増加幅を引き下げ、累積債務の対GDP比が一定水準を超えた場合、財政政策の非ケインズ効果が現れることが明らかにされた。しかし実証分析の結果の一部は理論的整合性を欠き、今後の課題も残された。
- 新潟国際情報大学の論文
- 2006-06-22
著者
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