六地蔵寺蔵遍照発揮性霊集裏書所載和訓攷
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概要
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正嘉二年・建治三年刊の高野版である六地蔵寺蔵遍照発揮性霊集の紙背には南北朝から室町時代にかけての多くの裏書が存する。裏書の内容は、被注字(『性霊集』本文)についての(1)和訓を示すもの(2)漢字によって語義を示すもの(3)「字書」の引用によって説明を加えるもの等があり、国語研究にとって有用な資料である。本稿では「和訓」に焦点を当てた。裏書の和訓は『類聚名義』所載の和訓と一致するものが約七割あり、語注の基盤をなす。一方『名義抄』に見えない和訓・差声訓・表記(「子共」等)等は、類例の類聚による検討の必要性はあるが、国語史研究に資するものである。
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