老人保健施設における介護・看護スタッフの高齢者の自立を促す関わりに関する研究
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概要
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高齢者の潜在能力を引き出し,主体性や自立を考えた生活援助のためには,介護・看護スタッフにどのような理念・考え方が必要であろうか.本研究は特に「自立」に注目した.研究目的は,老人保健施設で働く介護・看護スタッフが高齢者の自立やそのケアについてどのように理解し行動しているのか,その特徴を明らかにすることである.対象は,都内老人保健施設で働く介護・看護スタッフ15名.研究方法は半構成的面接を行い,データを意味のあるまとまりごとにコード化し,コードを類型化,カテゴリーを抽出した.その結果,スタッフの考える自立とは,(1)日常生活動作の中で自分の身の回りのことができる,(2)自分の意思で行うであり,最終的には(3)地域のサービスや家族の支えにより自宅で生活をするであった.これは,障害をもった高齢者という特徴に即した多面的で現実的な自立の捉え方だと考えられた.また高齢者の自立に向けてのスタッフの関わりとしては,高齢者自身を知る,双方の理解を深め,何でも話せる関係をつくる,高齢者の意思や欲求を把握する,できるところは必要以上に介護しない,やる気を引き出す,目標を設定する,デイサービスを楽しみと感じてもらう,の7カテゴリーが見い出され,村象者の気持ちに根ざした援助を実践していた.今後,介護・看護スタッフが,高齢者の自立に向けての関わりについての具体的な技術・方法論について理解し,実践力を身につけていくことが課題であった.
- 日本赤十字看護大学の論文
- 2004-03-10
著者
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