昭和戦前綜合郷土研究と地域教育運動 : 『綜合郷土研究 秋田県』の郷土認識研究における一主題
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概要
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本稿は,筆者が先に発表した『綜合郷土研究 秋田県』の県民性論の考察(斉藤,1998)において示唆した検討課題,すなわち,郷土・郷土人認識の展開という視点から,従来の教育史研究では相互の関連性の問題を否認された形で取りあげられてきた綜合郷土研究が示した認識と地域教育運動の中で示された認識を,同じ地域の問題状況への対応の所産として,比較検討することの必要と意義を示そうとするものである。具体的に課題を提示するため,本稿では,『綜合郷土研究 秋田県』の県民性にかかわる論稿と北日本国語教育連盟が発表した「北方教育」論を取りあげ,両者の認識が示す地域認識における共通性を指摘することにした。相互の影響関係,人的・思想的交流の実態等の問題を提示する以前に,まず,相容れない傾向とも見られることもあった両者を同一の次元において検討することの可能性を確認することが求められたのである。
- 桜花学園大学の論文
- 2004-03-31
著者
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