自然経過を観察した腫瘍径3cm未満の肝細胞癌27例における超音波所見ならびに臨床所見の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
最短6カ月,最長3年6カ月間,自然経過を観察した27例の小肝細胞癌(腫瘍径3cm未満)について臨床所見の検討を行った。経時的な超音波検査により腫瘍の発育速度,腫瘍像の変化等を検討し,さらに,これらの結果と臨床所見との関連について考察した。腫瘍の発育速度は同一症例においても経過中に変動し,症例間では大きな差を示した。腫瘍の発育に伴い,腫瘍の超音波パターンは一定の規則性をもって変化した。腫瘍径が2〜3cmを示す時点での腫瘍の超音波パターンは発育速度と密接な関係がみられた。腫瘍発見時,血清AFP値が200ng/mlを示したものは,3例(11.1%)にすぎなかった。腫瘍径が3cm以上になると,血清AFP値は漸増し,結節型から塊状型に変化する時点で急増する例が多かった。生存率は腫瘍発見より1年92.1%,2年60.2%,3年7.7%であった。死亡した15例のうち,腫瘍死は8例でそれぞれ,6,9,13,14,22,30,34,36カ月間生存し,肝硬変死は6例でそれぞれ,22,23,25,29,32,35カ月間生存した。残り1例は脳血管障害で腫瘍発見後13カ月で死亡した。
- 千葉大学の論文
著者
-
江原 正明
千葉大学医学部附属病院腫瘍内科
-
江原 正明
千葉大学医学部第一内科学教室
-
江原 正明
千葉大学医学部第一内科
-
江原 正明
千葉大学 第1内科
-
江原 正明
千葉大学 医学部 第1内科
-
江原 正明
千葉大学医学部第1内科
関連論文
- 千葉大学病院において生体部分肝移植手術を実施した8症例
- 肝細胞癌の画像診断における LEVOVIST 造影超音波の意義
- iu22 (Philips) の使用経験-とくに3Dシステムの有用性について
- Levovist 造影超音波による肝細胞癌のターゲッティング
- 超音波を用いた肝線維化の3次元的定量的評価
- 肝細胞癌症例における銅蓄積の意義
- 加振映像法を用いた慢性肝疾患における肝硬度測定の試み
- 非多血性肝細胞癌の診断における Levovist 造影超音波の応用
- 慢性肝疾患合併小結節の鑑別におけるレボビスト造影超音波の応用
- Levovist を用いた造影 Dynamic flow による肝細胞癌での造影所見の検討
- 超音波ドプラ法による上腸間膜動脈血流の検討 - 腹腔動脈血流との比較 -
- 造影カラードプラ法における時間輝度曲線の意義 : 肝細胞癌での検討
- 肝腫瘍におけるレボビストを用いた造影エコー法 : 治療効果判定における応用について
- 小肝癌における肋骨温存HIFU治療の安全性と有効性
- 肝細胞癌の画像診断における LEVOVIST 造影超音波の意義
- iu22 (Philips) の使用経験-とくに3Dシステムの有用性について
- Levovist 造影超音波による肝細胞癌のターゲッティング
- 右室内に孤立性に発育を来した肝細胞癌の1例
- テクスチャ解析とニューラルネットワークを利用した肝硬変診断の検討
- FSET処理による肝線維組織構造の抽出
- FSET処理による肝線維組織構造の抽出
- 超音波を用いた肝線維化の3次元的定量的評価
- 毛髪で分かる乳ガンの前兆と発生 : 放射光蛍光X線分析で早期発見
- P3-22 剖検肝試料を用いた定量診断法の評価(ポスターセッション3(概要講演))
- 肝剖検試料を用いた超音波定量診断法の検討
- 肝細胞癌症例における疫学別にみた微量金属
- 微量元素と癌 (特集 微量元素の臨床--実地医家の理解と実践のために)
- 肝細胞癌の発癌と肝内銅蓄積, フリーラジカル発生の関与と予防治療への可能性
- 肝細胞癌に対する内科的治療方針
- P2-46 心肝病変における組織変化と音速減衰相関図の関係(ポスターセッション2,ポスター発表)
- 音速減衰相関図による病変組織の物理的変化の検討
- 血清金属およびメタロチオネインレベルによるヒト肝疾患の新診断法の提案
- 人に優しい医療用セラミック被覆穿刺針の開発
- 超音波カラードプラ法による肝細胞癌の腫瘍血流の研究
- 胆嚢小隆起性病変における3次元超音波像の有用性の検討
- 肝臓疾患のCT, USおよびMRIによる診断能の客観的評価に関する研究
- 地域集団検診に基づくHCV抗体陽性者の疫学ならびにHCV抗体陽性肝細胞癌の臨床所見について
- 硬変肝断層画像を用いた結節の3次元情報抽出の検討
- 肝生検組織および手術標本を用いた薬物代謝能
- ニューラルネットを用いた肝硬変超音波画像診断システムの抽出領域の次元についての検討
- 日本人の貢献 : 5.経皮的エタノール注入による肝癌の治療
- 肝細胞癌のMRI診断 : 診断能と信号パターンの検討
- 小肝細胞癌に対する経皮的エタノール注入療法(PEI)
- 自然経過を観察した腫瘍径3cm未満の肝細胞癌27例における超音波所見ならびに臨床所見の検討
- リザーバーを用いた反復動注化学療法により長期生存した門脈腫瘍栓合併肝細胞癌の2症例
- 超音波カラードプラ法による肝細胞癌門脈腫瘍塞栓の診断ならびに病態に関する研究
- 1. 肝細胞癌に対する治療法の選択と成績(シンポジウム : がん治療の最近の進歩,第72回千葉医学会学術大会・第41回千葉県医師会学術大会連合大会・第34回日医生涯教育講座)
- 肝組胞癌の早期発見と治療
- 超音波歪計測に基づく組織ずり弾性定数イメージング
- P3-J-50 肝剖検試料を用いた超音波による組織性状診断法の開発(医用超音波,ポスターセッション3(概要講演))
- 剖検試料を用いた病変肝エコー特性解析法の評価(医用超音波)
- 肝細胞癌症例における疫学別にみた微量金属
- 肝細胞癌症例の肝内銅蓄積と活性酸素・フリーラジカル
- 小肝細胞癌における病因関連背景因子と臨床所見の検討
- 血清中の金属およびメタロチオネインによる肝疾患診断への試み
- 血清中の金属およびメタロチオネインによる肝疾患診断への試み
- 肝疾患時における血清メタロチオネインレベルの変動
- 血管造影所見に基づく肝細胞癌多発腫瘍の病態に関する研究
- 小肝細胞癌に対する経皮的エタノール注入療法(PEI) : ―長期観察に基づく抗腫瘍効果と予後の検討―
- 長期経過観察した慢性肝障害例における肝細胞癌の発現とその予知因子に関する臨床的研究
- 肝細胞癌の早期診断における超音波映像下組織生検の有用性について
- 肝細胞癌に対する肝動脈塞栓療法後の肝障害対策-高圧酸素療法の有用性に関する研究-
- 小肝細胞癌の超音波所見の成り立ちについての病理所見に基づく検討
- 小肝細胞癌における血管造影の診断的有用性 : 特に他検査所見との比較による検討
- 肝硬変症における肝実質低エコー結節所見と肝細胞癌発生との関連に関する研究
- 放射線療法と肝動脈塞栓療法の併用による肝細胞癌の治療 : とくに単独療法との比較による治療効果の検討
- 肝実質所見に基づく肝硬変の超音波分類とその臨床的有用性
- び漫性肝疾患の磁気共鳴画像 (MRI) : X線CTとの比較検討
- 肝細胞癌に対する放射線療法の治療効果に関する検討
- 長期自然経過観察にもとずく, 小肝細胞癌の発育速度と進展経過, 及びこれらに関与する因子についての研究
- 磁気共鳴画像 (MRI) による肝血管腫の診断 : 特に肝細胞癌との鑑別において
- 胆管膵管の合流異常と胆嚢癌の関連に関する臨床的研究
- 血管造影による小肝細胞癌の診断 : 腫瘍濃染像の診断的意義について
- 長期無治療の小肝細胞癌22例における臨床所見の検討
- 正常肝及び肝細胞癌症例における金属結合蛋白とフリーラジカルの発生
- 肝細胞癌におけるATP7Bの検討
- 肝細胞癌症例における肝内銅蓄積とフリーラジカル発生の検討
- 慢性肝疾患症例における金属結合蛋白とフリーラジカルの発生
- 192Ir Remote Afterloading Irradiation System を用いた胆管腔内照射及び体外照射併用による胆汁内瘻術
- LECラット肝臓およびヒト肝細胞癌組織の金属とメタロチオネインの動態と酸化的ストレス
- LECラット肝臓およびヒト肝癌の銅-メタロチオネインの類似性