相模湾に見られる表層性ユメエビ類(サクラエビ科,ユメエビ属)及びそれら近縁種の西部北太平洋における分布
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概要
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1.沖縄南方の海域には相模湾にも生息しているLucifer typus, L.intermediusの2種の他にL. penicilliferとL. hanseniの合計4種のユメエビ類の分布が認められた。2.出現した4種の中で,L. typusが沿岸域から沖合い域にかけての全ての調査水域に優占し,個体数の上では外洋の中深層性のえび類に比べ,1-3オーダー高い出現量を示した。3.従来沿岸性の種であると考えられていたL. intermediusが外洋域にも大きなポピュレーションをもって分布していることが明かとなった。4.本調査を実施した時期と水域において,ユメエビ類,特はL. typusの分布には水温及び塩分の影響は認められず,むしろ,海流や,風向きなどの物理的な力による影響が示唆された。5.夜間の採集量の方が昼間のそれよりも多いが,その組成は昼夜でほとんど変化が認められなかった。6.性比はほかの中深層性のえび類同様,雌の個体が多かったが,Lucifer intermediusが沿岸部で極めて卓越した測点に於いて大西洋沿岸性のL. faxoni同様雄の成体が圧倒的に多く出現した。7.今後は,分布生態に関する面だけでなく,特に,海洋の食物連鎖の上に占める役割を正確に評価するためにも,その成長,摂餌,及び生殖といった生活史をめぐる諸問題についての研究が急務となる。
- 横浜国立大学の論文
- 1990-03-25
著者
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