関東地方およびその周辺地域におけるシロヨメナ群の倍数体と地理的分布.II.
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概要
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シロヨメナ群の関東地方およびその周辺地域における倍数体の出現と分布を更に調べるために,関東地方とこれより以北の地域を含む77地点から採集した633株を核学的に研究した。本研究においても,シロヨメナ群に二倍性(2n=18),三倍性(2n=27),四倍性(2n=36)と六倍性(2n=54)が確認された。更に,九倍性の株(2n=82)が,六倍性の集団で1個体であるが,今回初めて見い出された。六倍体は関東地方の中心域から関東地方より北部の地域に広く分布し,その分布域の週辺部には二倍体と四倍体が生育しており,稀には二倍体と共存していた。四倍体は六倍体の生育地よりも北部および北西部に広く分布していた。二,四および六倍体には,数が1〜6個と変異するB染色体の付加による異数体が25集団で見い出された。六倍性シロヨメ(2n=54)とノコンギク(2n=36)の間の雑種(2n=45)が5集団で6個体見い出された。また,L^<2E>-染色体の多型性を更に詳しく調べた結果,前回提唱した本染色体の多型性を区分する基準を少し修整し,12型を区別した。本染色体の多型性は,倍数性が高ければ高い程大きかった。
- 横浜国立大学の論文
- 1985-10-30
著者
-
松田 忠男
横浜国立大学教育学部生物学教室
-
松田 忠男
Department Of Biology Faculty Of Education Yokohama National University
-
篠原 信子
横浜市立入船小学校
-
篠原 信子
Irifune Municipal Elementary School of Yokohama
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