関東地方およびその周辺地域におけるシロヨメナ群の倍数体と地理的分布.IV.
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概要
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関東地方及びその周辺地域において,シロヨメナ群における倍数体の出現とそれらの地理的分布を更に調べるために,中部地方北西部からの22集団,中部地方西部の4集団,そして東北地方西部の7集団から採集した233株を核学的に調べた。その結果,東北地方及び東北地方に近接する中部地方の27集団には,四倍体のみが成育していることが分かった。一方,佐渡島の両津市見立で,四倍体の他に4個体だけであるが,五倍体(2n=45)が初めて見出された。また,四倍体には1〜6個のB染色体の付加による異数体が見出され,B染色体の出現は北部域ほど低かった。なお,B染色体には10型が区別され,小形の型であった。また,二倍体が二倍体の高頻度出現が知られている地域と近接する2集団に,また六倍体が関東地方の六倍体出現地に近接する1集団でそれぞれ見出された。なお二倍,四倍及び六倍体の混生集団が初めて1集団見出され,四倍体と六倍体の混生地も1集団,関東地方と中部地方との境界域で見出された。四倍体の集団において,付随体染色体の多形性が調べられ,6型が区別され,前報と同様にII 1a(74.3%)とII2a(21.4%)の出現が顕著であった。ノコンギクとシロヨメナとの雑種は,六倍性シロヨメナとの五倍性雑種(2n=45=36L+9S)と当地域でも初めて四倍性シロヨメナとの四倍性雑種(2n=36=27L+9S; Tara, 1973)も見出され,シロヨメナとノコンギクとの遺伝子の交換が四倍体においても起こっていることが分かった。
- 1992-10-30
著者
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下原 修
Higashinakada Municipal Elementary School Of Yokohama
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松田 忠男
Department of Biology, Faculty of Education, Yokohama National University
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松田 忠男
Department Of Biology Faculty Of Education Yokohama National University
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