オスカー・ワイルドの「幸福な王子」におけるフェミニズム
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
「家父長制」や「家父長制社会」をキーワードにしたフェミニズムは、女性の「抑圧」を自明のこととして把握し、それを前提として理論を展開している。フェミニズム文学批評においても、西洋文化がいかに、男性中心的な規範によって女性の存在を無視し排除してきたかを原点としている。しかし、この社会の中で「抑圧」は普遍的なものであるのか、それとも、何らの差別や抑圧のない無階級社会は存在するだろうか。そこで、女と男という従来の二分法では割り切れないジェンダーの問題を、文学テキストで探ってみよう。オスカー・ワイルドの書いた童話"The Happy Prince"を本稿で用いて、男性作家自身のフィルターを通して家父長制社会はどのように描かれているかを検証してみる。すると、現代のフェミニズムが持つ、もう一つの面が呈示される。
著者
関連論文
- 女が働くということ : 『ベッシーの悩み』を読む
- 母親不在の誕生 : メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』における「創造性」
- 『サロメ』試論 : 性愛をめぐるパラドックス
- 樋口一葉の『十三夜』におけるセンチメンタリズム
- オスカー・ワイルドの「幸福な王子」におけるフェミニズム
- Freedom Songs : The Pain of Being Black in The Color Purple and Meridian
- 樋口一葉の 「十三夜」におけるセンチメンタリズム
- 文化を超えた生涯学習 : 真の国際化とは
- 「シャーロット・ブロンテの生涯」における加齢と死の学習
- 学び方を学ぶ : ギャスケル夫人と生涯学習
- 『ルース』と『緋文字』の比較から探る「女性の言語」の存在(人文・社会科学編)
- Women and Language-2-Virginia Woolf′s Form of The"female sentence"in Mrs.Dalloway
- V.ウルフの「私だけの部屋」へのフェミニズム的アプロ-チ
- Women and Language-1-Mrs.Gaskell′s Use of Literary Dialect in North and South