脳外科診療と研究心(<特集>九教授定年退職記念講演会)
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概要
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脳神経外科入局後の臨床および基礎研究活動について記載した.東大,ロックフェラー大,マックスプランク脳研究所で,前庭性眼振の発現機構,cervico-ocular reflex, vestibulospinal, tectospinal systemの神経回路網の研究をそれぞれおこなった.帰国後はヒトのeye-head coordinations, vestibular-compensationの解析,臨床研究としてbasilar tip aneurysmの手術,severe head injuryの各種モニタリング,cerebral vasospasmに対するhypertensive・hyper-volemic・hemodilution theraphy: 3"H"療法,頭蓋底手術,巨大脳動脈癌の手術法の開発,脳低温療法mild hypothermia,優位半球三角部やpineal regionへのアプローチを研究した.また頭蓋内圧力環境,特に脳血管床の脳内動的制御機構の解析をおこない,コリン作動性受容性橋被蓋野,青斑核複合体および内側延髄網様体ならびに背内側視床下部核を中心としたbasal forebrainが脳血管床の制御をおこなっており,またnitrix oxide (NO)産生糸が密に関与していることが判明した.Klotho老化抑制遺伝子欠損マウスでは多彩な老化症状を呈するが,Klothoマウスを使用した脳局所糖代謝率(LCGU)の実験では,4週齢Klotho群(kl/kl)はWild群(+/+)に比し新皮質では有意にLCGUの低下がみられたがThalamus, Caudate putamen, Inferior colliculus, Cerebeller cortex, Internal capselでは有意差をみなかった.6過齢に達するとKlohto群では全脳にわたってLCGUの低下が観察された.遺伝子操作でKlothoの働きが2-2.5倍となるマウスでは寿命が1.2-1.3倍に延びることが最近報告されている.
- 2006-06-30
著者
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