管理手法の異なる谷津の水田と畦畔の植生
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概要
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本研究では,除草剤を用いない雑草管理体系が水田とその畦畔植生に及ぼす影響を明らかにするため,隣接する除草剤施用の水田ならびに畦畔と比較検討した。調査は千葉県匝瑳市(旧八日市場市)の谷津田で行った。年4回の植生調査の結果,総出現種数は101種で,水田内で確認された種が50種,そのうち非除草剤水田では39種,除草剤施用水田では25種が確認できた。一方,非除草剤畦畔で52種,除草剤施用畦畔で60種が確認された。(1)TWINSPANによる植生分類の結果,いずれの雑草管理手法においてもその植生は概ね水田と畦畔に分かれ,また水田の植生には季節変動が認められた。(2)非除草剤水田の平均出現種数は除草剤施用水田と比べて有意に多くなった。(3)非除草剤畦畔では伝統的畦畔によくみられるチガヤ,スイバ,オオジシバリなど多年草が多く出現した。一方,除草剤施用畦畔ではスギナ,ヨモギ,ハルジオンの他,メヒシバ,スズメノテッポウ,カヤツリグサなどの一年草が多くなった。
- 2006-12-22
著者
-
根本 正之
東京農業大学地域環境科学部
-
根本 正之
東農大地域環境科学部
-
大塚 広夫
(株)雲松園
-
桝田 信彌
東京農業大学地域環境科学部
-
根本 正之
東京農大 大学院農学研究科
-
根本 正之
東京農業大学付属農場富士分場
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