看護業務改善におけるSSMベースのアクション・リサーチの有効性の検討
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概要
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本研究の目的はアクション・リサーチの一つであるソフトシステムズ方法論(SSM)の活動に参加した看護職員が、自らの認識と行動を変化させて、業務改善を自律的に推進することを明らかにし、アクション・リサーチの有効性を検証することである。研究方法は質的研究である。看護業務改善のワークショップとして、「私たちがめざす新しい看護とは」をテーマにSSMの7ステージ2サイクル実施した。データはワークショップの経過の中で作成された資料でSSMのプロセスを再現し、ラーニングを抽出した。また、サイクル(1)終了後に参加メンバーを対象としたアンケート調査を行った。結果、SSMの活動に参加したメンバーは病院の機構改革に伴って看護職が抱えている問題を明確にし、自らの看護に対する認識を変化させた。そして「ルーティーンワーク中心のケアから生活支援を焦点とした看護の必要性」、「看護職と介護スタッフと連携して業務を遂行するために関係性を見直すこと」の二つの課題を見出した。また、SSM活動を通して、看護職の看護に対する認識が変わり、行動変容につながった。さらに、行動の成果を実感した看護職は、看護を変えなくてはという新たな「思い」が触発され、継続的、自律的な業務改革に結びつくことが認められた。これらのことから、SSMの活動が現場の問題を明らかにし、参加者が自律的に問題解決に取り組むことにおいてアクション・リサーチの有効性が検証された。
- 青森県立保健大学の論文
- 2006-06-30
著者
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