水稲乾田直播栽培における基肥窒素の肥効増進におよぼす硝化作用抑制剤の効果
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概要
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水稲乾田直播栽培において基肥窒素の肥効および作物の生育におよぼす硝化作用抑制剤の影響について知るためポット栽培試験を行なった.得られた結果は次の通りである.1.硝化作用抑制剤および基肥窒素の添加後4週間乾田状態で経過せしめ, その後湛水して浸透水を採取したが, 浸透水中の無機態窒素量は次の順序であった.対照区≒Pyrimidine誘導体区≒DDA区>Triazine誘導体区>2,5-CPI区》N-Serve区2.N-Serve区はとくに50ppm区において乾田期間の水稲の生育障害が甚だしかったが, 湛水後に回復し, その後の生育は対照区の追肥区に比して旺盛であった.3.対照区の精籾重, 藁重および窒素吸収量は0-10区および2-8区はほぼ等しく, 10-0区はそれより明らかに小であった.4.窒素添加の場合の精籾重, 藁重および窒素吸収量は次の順序であった.N-Serve区》2,5-CPI区≩Triazine誘導体区>Pyrimidine誘導体区≒DDA区≩対照区(10-0区)5.薬品添加区のうちで精籾重が対照区の追肥区と同等以上を示した区はN-Serve 50〜15ppm区, 2,5-CPI区の50および30ppm区, およびTriazine誘導体50ppm区であった.6.2,5-CPI区およびTriazine誘導体区の精籾重は50ppm区>30ppm区>15ppm区の順であったが, N-Serve区は50ppm区≒30ppm区>15ppm区の順であった.7.窒素無添加の場合に2,5-CPI区, N-Serve区およびDDA区の50および30ppm区の精籾重は対照区に比して大であったが, Pyrimidine誘導体区は対照区に比して小であった.
- 鹿児島大学の論文
- 1968-02-15
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