ネーピアグラスの収量および体内成分に及ぼす窒素の形態および施用量の影響
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概要
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暖地型牧草の一つであるネーピアグラス(Pennisetum purpureum SCHUMACH)についてポット栽培試験を行ない施用窒素の形態(NH_4態, NO_3態)および窒素施用量(ポット当り0〜4g)と産草量および栄養価値との関係を検討した.得られた結果を要約すれば次の通りである.1.草丈の伸長速度は7および8月が大であったが, 窒素施用量の増加に伴う伸長速度の増大は8月が大であった.2.茎数の増加速度は8月および9月が大であり, NH_4-N区では8月には窒素施用量の増加に伴い増大したが, 9月には逆に減少した.3.生草収量は2N区および4N区ではNH_4態窒素区がNO_3態窒素区に比して大であったが, 1N区では両者に差異がみられなかった.各窒素施用区において硝化作用抑制剤添加により生草収量がわずかに増加した.4.生草および乾物収量は3番刈(9月2日)が最も大であり, また各刈取時期において窒素施用量の増加に伴い増大した.乾物生産速度は8月が最も大であり, また窒素施用量の増加に伴い増大した.5.作物体の蛋白態, 可溶性有機態, NO_3態, NH_4態および全窒素含有率はいずれも窒素施用量の増加により増大した.6.0N区, 1N区および2N区の全窒素, 蛋白態窒素およびNO_3態窒素含有率はいずれも1番刈が最も大であったが, 4N区の全窒素, 蛋白態窒素, 可溶性有機態窒素およびNH_4態窒素含有率は4番刈が最も大であった.7.NO_3態窒素含有率は1番刈において2N区および4N区, および2番刈以後において4N区が他の区に比して著しく大であった.硝化作用抑制剤の添加により4N区においては全刈取時期の作物体中のNO_3態窒素含有率が低下したが, その他の区においては1番刈にだけ硝化作用抑制剤添加の効果が認められた.8.NH_4態窒素含有率は4N区においてNH_4-N区がNO_3-N区に比して大であった.9.粗繊維, 粗澱粉および全糖含有率と施用窒素の形態および窒素施用量との間に一定の関係はみられなかった.
- 鹿児島大学の論文
- 1973-03-24
著者
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恒吉 利彦
(現)鹿児島県畜産試験場
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西原 典則
Laboratory of Fertilizers
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二之宮 哲志
(現)鹿児島県高山高等学校
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恒吉 利彦
Laboratory of Fertilizers
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広瀬 幸正
Laboratory of Fertilizers
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松元 真理枝
Laboratory of Fertilizers
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二之宮 哲志
Laboratory of Fertilizers
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