水稲成分の品種及び地域間の差異, 特に稲白葉枯病との関係について
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概要
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稲白葉枯病に対して抵抗性を異にする8品種の水稲を, 稲白葉枯病常発地と健全地に栽培して生育の各時期に水稲体を抜取り, これを葉, 葉鞘, 及び茎に分解し.それぞれについて灰分, 珪酸, 窒素, 燐酸, 加里, 石灰, 苦土, 及びマンガン等を分析し, 地域間差異と品種間差異について検討した.1.これらの成分含有率の品種間差異は地域, 生育時期, 及び水稲体の部位等によつて異り, 稲白葉枯病抵抗性品種と罹病性品種との間に一定の傾向は認められなかつた.2.地域間差異は水稲の品種, 生育時期, 及び部位を通じ一定の傾向を示し, 土壌中のN/5塩酸可溶珪酸及び加里の含有量の多い鹿児島市の水稲は他の二地域の水稲に比べて珪酸及び加里含有率が高く, 易還元性マンガン含有率の高い谷山町の水稲は他の二地域の水稲に比べてマンガン含有率が高かつた.3.水稲体の燐酸, 石灰, 及び苦土含有率と土壌のN/5塩酸可溶燐酸, 置換性石灰及び苦土の含有量との間には一定の関係は認められなかつた.4.水稲体において地域間差異及び品種間差異の著しい部位は, 灰分, 珪酸, 苦土は葉及び葉鞘, 加里は生育前期は葉鞘, 生育後期は茎, 窒素, 石灰, 及びマンガンは葉であつた.
- 鹿児島大学の論文
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