4.山地河川の流況と流域条件との関係解析 : III.流域の地形・地質と流況の関係
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概要
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山地河川の流況と流域条件との関係を明らかにする目的で,山地流域の水文資料を用いて流域の地形・地質が流況に及ぼす影響について検討した。流域地質の分類は第四紀火山岩類・第三紀火山岩類・花崗岩類・第三紀層・中生層・古生層および変成岩類の7分類で行った。流域の地形を表す因子には流域内に占める緩傾斜面(20度未満の斜面)の面積率を取り上げた。山地河川の流況を表す因子には流況曲線から求められた諸因子を用いた。得られた結果をまとめると次のようである。1)流域の地形と地質は密接に関係している。すなわち,第四紀火山岩類の流域では緩傾斜面積率が大きく,次いで第三紀火山岩類・花崗岩類および変成岩類の流域で大きく,古生層および第三紀層の流域がこれらに次ぎ,中生層の流域では緩傾斜面積率が小さい。2)また,流域の地形は降水量にも影響されている。すなわち,一般に降水量の多い流域には緩傾斜面積率の小さい流域が多い傾向がみられる。3)流域の水源涵養機能は流域内に緩傾斜面が多いほど増大する。4)第四紀火山岩類の流域は,他の地質の流域に比べ,流域の水源涵養機能が非常に高い。
- 鹿児島大学の論文
- 1988-03-26
著者
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