女子学生の安静時代謝と体組成、生活活動について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
女子学生を対照に、安静時代謝測定、身体計測、生活時間調査を行い、その安静時エネルギー消費量と体組成の関係、1日の消費エネルギー量と体組成の関係について検討を行なった。なお生活時間調査は、平日の時間的ゆとりのある日、多忙な日、休日の3パターンを設定して観察した。実験Iの空腹時換気量(VE)は6.5±1.46l/minで、実験IIの随時換気量(VE)は7.5±1.51l/minであり有意差が見られた(p<0.001)。実験IIは食後約4時間経過した値であるが、これは特異動的作用の影響を受け、空腹状態の実験Iよりは代謝亢進の状態にあるものと考えた。しかし酸素消費量(VO_2)は実験I、IIともに一致し、0.23±0.05l/min、安静時エネルギー消費量(REE)は実験I1555±367.59kcal/day、実験II1604±351.31kcal/dayであった。REE実測値に対する基礎代謝量の倍率は、実験I1.29倍、実験II1.33倍を示したが、これは通常REE計算値で使用されている基礎代謝量の1.2倍よりも高倍率であった。生活時間調査から得られたエネルギー消費量(kcal/day)は、「平日・ゆとりあり」1931±304.50kcal/day、「平日・多忙」2043±342.27kcal/day、「休日」2039±375.97kcal/dayで、3パターンの平均値は2004±291.78kcal/dayであった。生活活動強度指数は「平日・ゆとりあり」が1.27±0.13であるのに対し、「平日・多忙」1.38±0.20(p<0.001)、「休日」1.40±0.36(p<0.05)、3パターンの平均値1.35±0.17(p<0.001)と「平日・ゆとりあり」の生活活動強度は、他よりも低いことが明らかになった。各設定日のエネルギー消費量(kcal/day)と体組成の関係を見ると「平日・ゆとりあり」のエネルギー消費量と除脂肪体重は相関係数0.699(p<0.001)であり、除脂肪体重が多い人ほど「平日・ゆとりあり」のエネルギー消費量の多い結果を示した。「平日・ゆとりあり」の日に安静状態で過ごすか、多忙な日や休日と変わりない身体活動を行なうかによって体組成に違いが出る。これは除脂肪量の増加がREEの増加につながるものと考える。
- 和洋女子大学の論文
- 2005-03-31
著者
関連論文
- 女子大学生の糖代謝能関連諸健康指標値に及ぼすしそ油摂取と有酸素運動トレーニングの影響
- 食中毒菌に対する香味野菜の発育阻止作用
- α-リノレン酸(シソ油)の血清資質,脂肪酸組成,血小板凝集能,血液凝固系,過酸化脂質への影響
- 食品中安息香酸の摂取量と尿中馬尿酸濃度の用量-反応関係
- 安息香酸含有飲料水多量摂取が尿中馬尿酸濃度に及ぼす影響
- 女子学生の安静時代謝と体組成、生活活動について
- 女子学生の身体状況並びに体型意識とダイエットに関する調査研究
- 女子学生の体温の実態とその認識について
- サービングサイズを用いた簡易食物摂取量調査法の開発
- 女子学生にみられる不定愁訴について
- 女子学生の味覚感受性について
- 本学学生の体位について
- ヨモギ葉中の抗酸化物賓、及び遠赤外焙煎処理効果 : 有機化学・天然物化学
- 自家製"おしぼり"の安全性に対する細菌学的追求
- 女子学生の体温測定について
- 自家用給水タンク(市川市内)の衛生状況について
- 持帰り弁当の細菌汚染状況について
- 持ち帰り寿司の細菌汚染状況とその原因について(資料)
- 味覚閾値に与える練歯磨及びその成分の影響
- ウ-ロン茶及び紅茶の脂質代謝に及ぼす影響
- 甘味料の代謝速度
- ダイコクネズミ血清コレステロ-ルに対する干シイタケ水浸出液の低下作用
- 2. 軟式庭球のエネルギー代謝と、その服装による変化 : 第33回体力医学会関東地方会
- タイトル無し