女子学生の体温の実態とその認識について
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概要
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健常時の体温を知る目的で、健康な女子学生423名(体調不良の57名を除く)に対して、実験室で注意事項を遵守させて行った体温測定と、自己申告による体温に関するアンケート調査(480名)を行い、その結果を解析した。測定時間は午前10時30分〜12時、午後は14時〜16時であり、いずれも食後1時間以上を経過後測定した。水銀体温計による平衡温測定は、腋窩の平衡時間14.5±3.0分、36.91±0.33℃、口腔は11.6±3.7分、37.07±0.28℃であった。腋窩温と口腔温の平衡温差は、前者よりも後者の方が0.16±0.22℃高く、平衡温に達するまでの時間は前者が3.0±4.4分多く要した。電子体温計による腋窩温測定は、予測36.77±0.36℃、実測36.75±0.33℃で予測時と実測時の温度間に有意差は見られない。水銀体温計腋窩温と比較すると、電子体温計腋窩温が有意に低い値であった。耳式体温計による耳内温は36.83±0.38℃であった。この値は、口腔温よりも0.20℃低く、水銀体温計の腋窩温とほぼ等しく、電子体温計腋窩温よりも高い値であり、耳内温が高いということはなかった。また、測定時刻午前と午後の比較では、午後測定の体温が有意に高いことを確認した。家庭での水銀体温計による体温測定は腋窩・口腔共に5分位で、平衡温に達する前に測定を終了していた。また、被験者は各自の「平熱」を76.3%が把握しており、平均値は36.06±0.34℃であった。水銀体温計腋窩温と比較して0.85℃低かったことからも、測定時間不足により正確な体温より低い値を平熱と認識している現状が観察される。以上の結果より、体温測定は正しい方法で行うことが大切であることは勿論、病態時のみでなく健常時に体温を測定し、各自の「平熱」を知り健康管理に役立てることが大切であると考える。
- 和洋女子大学の論文
- 2003-03-31
著者
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