家庭における洗濯の実態調査
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概要
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家庭洗濯の実態を把握するために、主婦を対象に12年前とほぼ同様の調査を行い、12年間の家庭洗濯における変化と動向について考察し、次のような結果を得た。1)12年前洗濯機は「全自動」が31.0%であったが、今回は86.0%であり、容量は「5kg」以上が多くなった。また洗う方式は12年前は「渦巻式」が主流で次いで「攪拌式」であったが、今回はそれに「遠心力」「超音波」の洗濯機が加わった。2)洗濯機を購入する動機は、「機能的」「使い方が簡単」が12年前と同様上位にあるものの「価格が安い」の方が順位が上になっている。またトップであった「メーカー」は9位に後退している。3)洗濯時に「取り扱い表示」を考慮しないが約18.0%、「洗濯物を仕分けしない」は20.6%で、洗濯物を白物と色物とに分けて洗濯しているのに、その際「洗剤を替えない」が89.6%もある。また、洗剤の使用量は「表示を読まない」は20.0%から2.45%に減少しているが、「適当」が23.0%あり、洗剤の量についての考え方は変わっていないようである。このようにそうあって欲しくない回答が依然としてかなりある。4)使用洗剤は12年前とほとんど変化がなく、「弱アルカリ性合成洗剤」の「粉末タイプ」が圧倒的に多く、今回は「中性洗剤」も使われている。環境によい「石けん」の使用は依然として僅少である。洗剤については多くの知識をもっているが、環境への配慮は高まっているとはいえず習慣を変えることの難しさを示している。5)ドライ表示の付いた衣服でも、「ドライクリーニングにださない」が32.0%もあり、洗濯機と洗剤の開発で洗濯機の「ドライコース」と「水洗い」を合せると10.1%ある。ドライ表示を信頼していないのか、繊維の種類と洗濯方法との関係についての知識が深まったためなのかはよく分からない。6)乾燥は「天日乾燥」が圧倒的であるが「乾燥機」の使用も増加した。7)家事仕事で好きな順位は、洗濯>料理>掃除>食事の後片づけ>アイロンかけである。最も嫌われているのはアイロンかけであり、取り扱いやすく安全なアイロンおよびアイロン台の開発が望まれる。8)洗濯機メーカーへの要望・洗濯によるしわについての工夫などでは、洗濯機の問題点を認識した意見が多くだされており、消費者も賢くなっていることを示している。また、糊つけやアイロンかけなどは、社会状況の変化で減少しており、12年前とは異なった結果を示しているものもある。
- 2003-03-31
著者
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