公立文化施設の新たな役割 : 公立劇場・ホールに専門家が関わることの意味について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本の公立文化施設は、これまで「貸し館」といわれる運営方式が中心であったが、近年、芸術監督やプロデューサーを選定し、質の高いオリジナルな舞台作品の創造・提供を志向する劇場・ホールが次第に増えてきている。これまでは、専門家による劇場運営は地域の文化力向上につながらないという考え方が一般的であったが、筆者は、むしろ専門家が文化施設の運営にもっと深く関わることによって、市民が創造力を身につけ、文化の発信力を高めていくことが可能になると考える。そのためには、行政機関が民間と協働し、民間のイニシアティブを活かすような取り組みが必要である。既にいくつかの地域の公立文化施設では、民間のアートNPOとの協働による個性的な運営のしくみづくりによって地域の文化活動に関する「新しい公共性」の形成に貢献している。今後、それらの取り組みが地域の文化的なオリジナリティの涵養、文化を活かした産業育成につながることが期待される。
- 跡見学園女子大学の論文
- 2005-03-15
著者
関連論文
- 「共同財」としてのアートのあり方を考える:地方自治体の文化政策のあり方についての考察
- 自治体文化政策における「文化の自己決定性」に関する考察 : 川俣正の「ホスピタリティ」をめぐって
- アートNPOとのパートナーシップによる自治体文化政策の可能性 : アートNPOの「専門性」と地方自治体の「コミットメント」をキーワードとして
- 北九州市圏域の潜在的舞台観客層に対する効果的なマーケティング手法の開発 : 試行と分析
- 公立文化施設の公共性をめぐって : 「対話の可能性」に、共同体的価値の形成と参加の保証を見る視点から
- 公立文化施設の新たな役割 : 公立劇場・ホールに専門家が関わることの意味について
- 民間芸術NPOと行政機関とのパートナーシップの新しいあり方を探る : 「STスポット横浜」と横浜市との関係をモデルとして