2次元単層モデルによる東郷池の流動特性および塩分の水平拡散に関する数値解析
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概要
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本研究では,ADI法を用いた2次元単層モデルにより,東郷池の塩分拡散および潮流の流動特性について検討した.まず,湖内の塩分に関する観測データを本モデルにより再現したところ,良好な結果が得られ,モデルの妥当性が認められた.次に橋津川の河川流量を振幅4.0m^3/s,周期12時間の正弦波でモデル化し,風速を3.0m/s,風向を日中に北風,夜間に南風で設定し,シナリオ分析を行った.その結果をまとめると以下の通りである.河川流量,風速,風向が湖内の塩分変動に与える影響を検討した.その結果,風速,風向に関わらず湖内塩分は北西部と北東部で4~12psu,南西部と南東部で6~8psuの範囲で変動した.これより,ヤマトシジミの産卵,孵化にとって最適な塩分である5psu以上を維持するためには,海水の流入量を4.0m^3/s程度に調整することが必要であると考えられた.次に,風向が流動パターンに及ぼす影響を検討した.その結果,両風向において北西部では順流が生じ,北東部では逆流が生じた.また,南西部では北風で反時計回り,南風で時計回りの還流が生じた.さらに,南東部では両風向で流速が1.0cm/s未満と非常に小さく,流れが停滞状態にあると考えられた.また,南西部と南東部に注目した結果,南東部における底質環境や現在のヤマトシジミ生息分布に潮流の流動特性が関係していることが示唆された.In brackish lakes undergoing artificial salinity management, the demonstrating countermeasure scenarios for optimum salinity management is crucial for protecting water environment and increasing the production of water resources. Arming at the fundamental research on this issue, the authors constructed a two-dimensional numerical model that utilized Alternative Direction Implicit method (ADI) to examine lake currents and salinity dispersion. We applied this model to Lake Togo in Tottori Prefecture, Japan, and investigated the effect of wind speed and its direction on the flow pattern of wind-driven currents, and the effects of river discharge, wind speed and its direction on the spatial distribution of wind-diffused salinity. When we modeled river discharge using a sine-curve with an amplitude of 4.0 m^3/s and a cycle of 12 hours, the salinity in the northwest and northeast areas fluctuated in the range of 4~12 psu. In the southwest and southeast areas, it fluctuated in the range of 6~8 psu. The result indicated that an approximate discharge of 4.0 m^3/s is needed to maintain the optimum salinity of level in Lake Togo during the breeding season of Yamato-shijimi (Corbicula japonica PRIME). The horizontal distribution of wind-driven currents in the northwest area in the cases of north and south winds was the same direction as the wind; in the northeast area, it was the opposite direction of the wind. The southwest area had clockwise currents under the north wind and counterclockwise currents under the south wind. The southeast area had very weak currents in the cases of north and south winds. Comparing the southwest and southeast areas, it was concluded that the pattern of wind-driven currents are connected to the environment of the bottom sediments and the habitat area of Yamato-shijimi.
- 九州大学の論文
著者
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吉田 勲
鳥取大学
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原田 昌佳
九州大学大学院農学研究院
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齋 幸治
高知大学農学部
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齋 幸治
九州大学大学院生物資源環境科学府
-
吉田 勲
鳥取大学名誉教授
-
榊 恭平
鳥取大学大学院農学研究科
-
原田 昌佳
九州大学大学院
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