オーチャードグラス(Dactylis glomerate L.)における品種の嗜好性 : 3.季節別にみた嗜好性とセルラーゼ分解特性並びに繊維成分,物理性との関係

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概要

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オーチャードグラスの国内外の延べ14品種を対象に,繊維成分,セルラーゼによる分解特性,並びに物理的特性に関する形質を調査し,ホルスタイン種育成雌牛により評価した嗜好性との関係を季節別に解析した。繊維成分のNDFとADFは,特に茎葉が粗剛となる出穂期の2番草と夏の再生草において嗜好性と有意な負の相関が認められた。しかし,分解率及びφRSKOVらの式Y=a+b(1-e^<-ct>)に基づく分解特性値と嗜好性との相関は認められなかった。このことから,オーチャードグラスの嗜好性と分解率及び分解特性は互いに独立した形質であり,両形質ともに優れた品種の育成が可能であることが示唆された。また,物理的特性として調査した引張・圧縮値,乾燥試料の粉砕に必要な消費電力値,並びに動的粘弾性に関する計測値の多くは季節間で分解率と有意な相関を示したものの,嗜好性との明確な相関は認められなかった。
日本草地学会の論文
1998-01-31

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