オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)における品種の嗜好性 : 5. 嗜好性に関連した品種特性の多変量解析

概要

論文の詳細を見る
オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)の国内外の延べ14品種について, ホルスタイン種育成雌牛により検定した嗜好性の要因を解析するため, 農業形質, ミネラル・繊維などの化学成分, セルラーゼによる分解特性, 並びに物理性に関連した延べ41形質を基に, 重回帰分析を行った。また, 供試品種の品質に関する特性を解析した。上記の中の2形質を説明変数の組とした重回帰分析から, 全15回のすべての試験において, 嗜好性の品種間変動の約60%から95%が説明可能であった。また, 同分析から, 嗜好性育種に対する選抜の指標として特に有効と考えられた形質として, 正の要因としては, (1)Ca濃度, (2)P濃度と(3)茎葉の柔軟性が, 負の要因としては, (1)病害(雲形病, さび病, 葉枯性病害)と(2)ADFが挙げられた。嗜好性が高い品種Ludeには, 他の供試品種に比較して, 品質に関する優れた特性が認められた。すなわち, (1)さび病や葉枯性病害全般に対する耐病性が高い, (2)茎葉の柔軟性が高い, (3)Ca濃度が高く, Caに関連したミネラルバランスに優れていた。いくつかの試験において, 品種のCa濃度は葉枯性病害の罹病度と, また, 品種のさび病の罹病度はセルラーゼによる分解性(Db)と各々負の有意な相関を示した。
1998-07-31

オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)における品種の嗜好性 : 5. 嗜好性に関連した品種特性の多変量解析

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク