オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)における品種の嗜好性 : 6 嗜好性の異なる品種間における採食量の比較

概要

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オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)の品種Ludeとアキミドリの生草について, ホルスタイン種育成雌牛による採食量を各々3日間測定した。3回実施した試験において, 乾物採食量(DMI, g/kg BW^<0.75)に有意な品種間差異は各々認められなかったが, 平均値では, Ludeがアキミドリより試験の順に1.0%, 2.4%, 2.9%各々高く, Ludeの方がDMIが高い傾向が認められた。また, 3試験を総合すると, セルラーゼによる乾物分解率から推定した乾物消化率(DMD)とDMIの関係について, 各品種毎に作成した回帰式は回帰係数に関して併合可能であった(P>0.30)。併合後の回帰式は各々アキミドリのDMI=-44.72+1.79 DMD, LudeのDMI=-41.23+1.79DMDとなり, 平行な回帰式が求められた。両式における回帰定数の差は有意であったことから(P<0.05), 同じ水準のDMDでみたDMIは, Ludeがアキミドリより3.49g/kg BW^<0.75>だけ高いことが示された。同時に検定したアキミドリに対するLudeの嗜好性は, 試験の順に32.2%^<***>, 37.5%^<***>, 46.9%^<***>と, 各々極めて有意に高かったことから(P<0.001), この嗜好性の高さがLudeのDMIにプラスの効果を与えている可能性が示唆された。
日本草地学会の論文
1998-10-31