ムツゴロウ若齢個体の冬期生息環境と低温耐性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ムツゴロウ若齢魚の小型個体が冬期に選択的に死亡する減耗現象に与える低温度の影響を,越冬環境調査と急性の低温耐性実験から検討した。越冬中の若齢個体(主に0,1歳魚)が発見された泥干潟の深さは,佐賀県六角川で5.0〜55.0cm,熊本県唐人川で4.5〜39.0cmで,いずれも体サイズと関連は無く,小型個体だけが致死温度まで低下する干潟表層部で越冬するわけではなかった。低温耐性実験(3℃,5℃,7℃)では,低温度条件ほど早期に死亡したが,全ての温度条件で死亡率にサイズ差は無かった。従って,死亡率のサイズ差は,越冬深度および急性の低温耐性では説明できないと考えられた。
- 社団法人日本水産学会の論文
- 2006-09-15
著者
-
藤井 剛洋
長崎大学環東シナ海海洋環境資源研究センター
-
竹垣 毅
長崎大学大学院生産科学研究科
-
石松 惇
長崎大学環東シナ海海洋環境資源研究センター
-
石松 惇
Institute For East China Sea Research Nagasaki University
関連論文
- トビハゼ・CO_2・シャットネラとの出会い
- 1. シャットネラの活性酸素を介した魚毒性発現機構(平成 12 年度日本水産学会九州支部例会プログラム)
- シャットネラによる活性酸素産生と魚類斃死
- シャットネラの活性酸素産生と魚類斃死 (総特集 水生動物の呼吸と環境)
- 赤潮プランクトン、シャットネラの増殖に対するSOD及びカタラーゼの影響 : 植物
- 赤潮プランクトン-シャットネラによる活性酸素の産生と毒性発現機構--魚の窒息死といかに関わっているか(今日の話題)
- ミトコンドリアDNA分析によるムツゴロウの遺伝的集団構造
- シリヤケイカの繁殖行動
- ムツゴロウ若齢個体の冬期生息環境と低温耐性
- ロウソクギンポの産卵・卵保護行動
- 有明海・八代海沿岸の河口干潟におけるムツゴロウの分布と生息密度
- 水産実験所が直面する問題と将来展望
- 海水環境 : 高二酸化炭素の影響
- Moving Ship 方式によるCO_2隔離技術の開発
- 低塩分がアサリの生残, 血リンパ浸透圧および軟体部水分含量に与える影響
- トビハゼ・ムツゴロウの再生産と空気の利用 (総特集 有明海の環境と生物生産)
- 汚染物質毒性評価のための指標海産魚選定
- III-2. 魚類卵・仔稚への影響(III. 生物への影響)(二酸化炭素の海洋隔離技術と生物への影響)
- 魚類卵・仔稚へのC02の影響 (総特集 CO2海洋隔離--隔離技術と生物影響について)
- タイワンドジョウおよびカムルチ-の頭部血管系の観察〔英文〕
- 粘液胞子虫性やせ病に罹患した養殖トラフグの病態生理
- 高二酸化炭素環境に対するヒラメ鰓塩類細胞の応答(第5回MRI(Marine Research Institute)シンポジウム)
- 亜熱帯オセアニアマングローブ湿地の特殊な環境とそこに棲息するトビハゼPeriophthalmus minutusの生存戦略(第4回MRI(Marine Research Institute)シンポジウム「Marine ecophysiology」)
- III-3. 魚類成体への影響(III. 生物への影響)(二酸化炭素の海洋隔離技術と生物への影響)
- 魚類成体へのC02の影響 (総特集 CO2海洋隔離--隔離技術と生物影響について)
- CO_2が魚類に与える影響について
- シロウオ Leucopsarion petersii 雄の同時的複婚の可能性