知的障害者入所施設A・Bの地域移行に関する親族の態度についての一考察
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概要
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欧米で地域移行に関する親族の態度を調査した研究は,地域移行の取り組みが開始された当初,親族がこの新しい動きに対して否定的態度を示していたことを明らかにした.本人の移行の希望を実現し,かつ,親族に負担を与えることなく移行の取り組みを円滑に進めるためには,地域移行に関わる親族の不安や不満を解消するための取り組みが求められる.本研究では,施設A・Bにおける質的研究に基づき,親族が地域移行の取り組みに否定的態度を示す背景にある要因を分析した.その結果,(1)施設福祉サービスヘの安心,(2)本人の能力の限界への不安,(3)親族への悪影響に関する不安(a.介護負担の不安,b.親亡き後の不安),(4)地域福祉サービスへの不安(a.ノーマライゼーションの原理への不安,b.本人への悪影響に関する不安,c.本人の経済的負担への不安,d.人的・物的な社会支援体制の不備への不安),(5)非民主的な意志決定プロセスへの不安が明らかになった.
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2006-05-31
著者
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