知的障害者の自己決定支援の思想と方法に関する一考察
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概要
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本論文では,第1に,管理・被管理という上下関係でもなく関係の断絶としての放任でもない,知的障害者の自己決定を支えるための新しい関係の創出を可能にする「支援」の思想を検討したい.支援の思想は,人間の(1)「自律」と「共同」,(2)「固有」と「普遍」,(3)「能力」と「限界」,(4)「行為」と「存在」に価値をおく人間観を基本原理とし,それぞれの領域は相互に有機的な関係をもつ.第2に,この思想を基盤とする支援の方法を検討したい.支援の方法は,(1)認識の支援,(2)判断の支援,(3)表現の支援,(4)実行の支援,(5)責任の支援,という5つの領域をもつ.この方法の特徴はまず,(1)から(5)に向かって,(5)から(1)に向かって有機的な循環が起こり,この循環プロセスを繰り返すことによって知的障害者が自己決定能力を向上させ成長する点であり,次に,認識の支援がもっとも重要だという点である.
- 2004-11-30
著者
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