グループホームにおける知的障害者・世話人・職員の相互行為に関わる一考察 : 日課・飲食・外出に関わる決定の統制過程
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概要
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本研究では,ゴッフマンの施設論に依拠しながら,グループホームで知的障害者(以下,本人と略)の日課・飲食・外出に関わる決定がいかに統制されるかを本人・世話人・職員の相互行為に焦点をあてて明らかにした.その結果,本人・世話人間の「アイデンティティの政治」を通して,世話人優位の「権力関係」が構築される実情が見いだされた.さらに,この関係は本人同士/世話人・職員間の「権力関係」を規定し/によって規定される.しかし本人が規範に抵抗する際は,世話人/職員がその行動に過剰に干渉しないことで「権力作用」を無効化させる可能性も見いだされた.このとき,世話人/職員はさまざまな葛藤を抱えながら本人の決定/失敗する自由を受け止めていた.しかし本人の「知的障害」に伴うリスクゆえに世話人/職員が抱える困難が増大し,さらにサービス提供組織に責任が集中することによって「権力関係」が再編され,本人の決定が統制される実情も見いだされた.
- 2009-05-31
著者
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