歯肉辺縁部に貯留する炎症性物質はライフスタイル因子と関連する
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概要
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歯周組織の破壊性炎症は歯の支持機能を低下させ,歯の喪失はQOL低下や全身の健康にも関係する.本研究では,歯肉溝滲出貯留液(GCRF)中の炎症性物質と健康状況との関連性を検討した.職場でGCRFを簡便に採取するための標準器具を開発した.事業所従業員200名から採取したGCRFを検査センターに搬送し,ヘモグロビン(Hb),α_1-アンチトリプシン(AT),ラクトフェリン(Lf),IgA,アスパルテートアミノトランスフェラーゼ(AST),アルカリフォスファターゼ(ALP)を一括して定量した.歯周組織の健康状況は地域歯周疾患指数(CPI)により,また,健康状況はライフスタイル因子(35項目),自覚症状(37項目),口腔保健状況(20項目)の3つのカテゴリーを含む質問紙により評価した.ロジスティック回帰分析では,3つのカテゴリーの質問項目のうちHbは3, 0, 3項目,ATは1, 1, 1項目,Lfは7, 0, 2項目,IgAは4, 0, 0項目,ASTは2, 0, 2項目,ALPは2, 0, 3項目と有意に関連した.また,Hb, Lf, AST, ALPはCPIと有意に関連した.GCRF中の炎症性物質は,口腔および全身の健康状況と関連していることから,歯周組織の炎症状態を反映するGCRF検査結果を口腔の炎症状況と関連づけ,健康のための行動変容の動機づけの説明に応用できる可能性が示唆された.
- 2006-07-30
著者
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松尾 忠行
福岡医療短大・専攻科口腔保健衛生学専攻
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埴岡 隆
福岡歯科大学口腔保健学講座口腔健康科学分野
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松瀬 亮一
京都医科学研究所
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埴岡 隆
福岡歯科大学 口腔保健学
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松尾 忠行
福岡医療短大 歯科衛生学科
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松尾 忠行
福岡医療短期大学歯科衛生学科
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松瀬 亮一
京都医科学研
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松瀬 亮一
株式会社京都医科研究所
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伊豆丸 美恵
財団法人日本予防医学協会
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埴岡 隆
福岡歯大・口腔健康科学分野
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松尾 忠行
福岡医療短大
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