同時的雌雄同体の陸産貝類アフリカマイマイの齢による配偶行動の相違
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概要
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電波標識法によって同時的雌雄同体の陸産貝類であるアフリカマイマイの交尾行動を観察した。電波発信器を殻の上部に装着して行動を追跡し, 完全成熟個体と亜成熟個体の2つのグループに分けて比較をした。亜成熟個体の行動範囲は完全成熟個体よりも広かった。観察開始時からの累積移動距離は, 完全成熟個体よりも亜成熟個体の方が長かった。アフリカマイマイの交尾は, 交尾を仕掛ける個体と受け入れる個体の間で, 交尾行動がまったく異なっている。亜成熟個体は完全成熟個体よりも高い頻度で交尾を行った。多くの場合で, 亜成熟個体は交尾を仕掛ける場合が多く, 完全成熟個体は交尾を受け入れる場合が多かった。完全成熟個体が亜成熟個体に交尾を仕掛ける場合に比べて, 亜成熟個体が完全成熟個体に交尾を仕掛ける場合が多かった。観察期間中の多数回交尾はすべての個体で認められた。亜成熟個体は広い範囲を動き回って交尾相手を捜していると思われる。完全成熟個体は狭い範囲を動き回り, 受動的な交尾行動を行っているものと思われる。このようなアフリカマイマイの交尾様式は本種の雄性先熟の成長様式と密接に関連しているものと結論づけられた。すなわち, 精子しか生産できない亜成熟個体は, 卵を産める交尾相手を積極的に捜しているものと思われる。
- 2002-01-31
著者
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冨山 清升
鹿児島大学理工学研究科地球環境科学専攻
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冨山 清升
Laboratory of Wild Life Conservation, National Institute for Environmental Studies
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