タイ中央部における淡水二枚貝の棲息地調査及び繁殖に関する研究
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概要
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1988年9月∿1989年9月, タイ国中央部のナコルンサワン, チャイナット, ロプブリ, サラブリ, シングブリ, アユチャヤ及びパツムサニ地方の灌漑用水や他の運河の淡水二枚貝の調査を行った結果8種同定された.中ではPilsbryochoncha exilisが最も多く, 調査の全域に分布していた.Ensidens ingallsianus, Uniandra contradens及びScabies crispataがこれに次ぐ.Psudodon vondembuschianusはロプブリにのみ分布した.最大種で真珠養殖上最重要種のHyriopsis myersianaは最も深いところ(水深2∿7 m)にすむ.保育嚢をもつ雌貝は種によって季節が若干異なる.グロキヂウムが寄生する魚類は14種に達し, 1988年の10月中旬から1989年3月まで見られたがそのピークは種によって12∿1月であった.宿主の選択性も示唆され, 魚類相が変化すると二枚貝類の繁殖もおびやかされる恐れが生ずるであろう.
- 日本貝類学会の論文
- 1990-11-30
著者
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パナ ソムサク
Department of Zoology, Kyoto University
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パナ ソムサク
Department Of Biology Faculty Of Science Chulalongkorn University
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