イシダタミガイ個体群の成長と死亡
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1977年12月から1981年1月までに志摩半島の鳥羽市今浦の潮間帯でほぼ毎月1回採集したイシダタミガイを用いて成長の解析と死亡の様子について調査した。成貝は冬に潮間帯の下の方へ移動し, 春∿秋には全域に分布する。幼貝は1年中潮間帯の中, 下部に生息していた。雌雄による貝殻の大きさや形態の違いは認められず, 性比は1 : 1であった。個体群は年による違いがなく, 幼貝の出現する10月過ぎより満0, 1, 2, 3才群の4群から構成されていた。1番大きい満3才群は夏の産卵の後, 数カ月以内に死滅する。この満3才群の死亡とともに満1, 2才群においても死亡が認められる。ヤドカリが居住者として棲む本種の死貝の殻高組成と成長曲線の低下とはよく一致した。各年令群ともに夏期に成長が停滞するが, そのほかの季節はよく成長し, 成長曲線が直線的であった。年間成長量は1978年が最も大きく, 続いて1980年, 1979年の順であった。成長の良い年は夏の死亡量も大きく, 満3才群の死滅が早い時期に起こることが明らかになった。
- 日本貝類学会の論文
- 1984-04-15
著者
関連論文
- イシダタミガイ個体群の成長と死亡
- アマガイ個体群の年齢組成と成長率の季節的変化
- 志摩半島のイシダタミ個体群における年令組成と成長
- 志摩半島のアマガイ個体群における年令組成と成長
- 伊勢湾におけるイカナゴ個体群の研究 : I.個体群密度と成長の関係
- No.16 : 志摩半島におけるイボニシ Thais clavigera (KUSTER) 個体群の成長について(I. 記念式典及び総会, 日本貝類学会創立 50 周年記念大会)
- ビワマスの個体レベルにおけるエネルギー収支(生態)
- ビワマスのエネルギー代謝(分類・形態・生態・行動・心理)
- 三重県伊賀地方でみられるカワニナとチリメンカワニナの酵素多型と雑種型個体
- 16. 三重県伊賀地方のカワニナとチリメンカワニナの間にみられる MPI 雑種型個体(平成 8 年度大会(鳥羽)研究発表要旨)
- 15. 三重県伊賀地方のカワニナとチリメンカワニナの形態及び遺伝的特徴(平成 8 年度大会(鳥羽)研究発表要旨)
- チリメンカワニナの染色体核型
- 三重県伊賀地方にみられるカワニナの繁殖生態
- カワニナ胚の実験動物としての利用可能性
- 16. カワニナとチリメンカワニナの再生産力と個体発生の比較(平成 4 年度大会(神戸)研究発表要旨)
- 3. カワニナ胚を用いた発生毒性試験の試み(平成 3 年度総会(鳥羽市)研究発表要旨)
- 38. カワニナの保育嚢内における胚構成の季節変化(平成 2 年度日本貝類学会総会研究発表)
- 卵胎生淡水産腹足類カワニナの胚培養法と発生の概要
- カワニナの生殖器官の解剖組織学的研究
- (4) カワニナにおける胚発生の季節的変化(日本貝類学会平成元年度総会)
- 5. カワニナ胚の体外培養と発生の概要(日本貝類学会創立 60 周年記念大会(昭和 63 年度総会))
- (5) カワニナの生殖器官の解剖組織学的研究(日本貝類学会 62 年度総会)
- ベニオキナエビスの糞塊と食性について
- イボニシにおける imposex の地方変異
- 渓流域におけるアマゴの成長に伴う生息場所および食物利用の変化
- 渓流域のアマゴの個体群密度と生産量の関係
- 伊勢湾産イカナゴの摂餌,脂肪蓄積および成長〔英文〕