志摩半島のイシダタミ個体群における年令組成と成長
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概要
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1977年12月から1979年1月までに三重県鳥羽市今浦の潮間帯の転石上でほぼ毎月1回採集したイシダタミを用いCassie (1954)の方法により個体群の年齢組成と成長の解析を行なった。個体群は満0歳, 1歳, 2歳および3歳の4群から構成され, 満3歳群は10・11月に僅かみられるにすぎない。即ち, 夏に産卵されたものは10月に平均殻高1.7mmの幼貝に成長し底生生活を始めるようになる。底生生活を始めて満1年になる翌年の10月には殻高7.4mm, 満2年で14.1mmに成長し, 満3年を迎える産卵期には19mmの大きさになり, 12月には満3歳群のほとんどが消滅することが明らかになった。本種の成長曲線は一生を通じてほぼ直線的であり, 冬期にも緩慢であるが成長し, 春から初夏および秋に活発に成長し, 夏に成長が停滞することなどが他の潮間帯に生息する巻貝と比較して特異なパターンを示すことが明らかになった。
- 日本貝類学会の論文
- 1981-04-15
著者
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