長い伝達棒を用いず振動子を現場に持ち込む方式の超音波手術器は可能か、多面的検討(<特集>医用超音波・アコースティックイメージング)

概要

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超音波手術機においては、砕破機(通称キューサー型)の場合も音熱剪(通称スカルペル型(1))の場合も結局の所長い棒状の物体の一端をランジュバン型とかの共振性の振動子により駆動して超音波パワーを注入し、その他端においてこれを適切な構造のアプリケーターを介して負荷となる目的の生体組織に送り込み、その作用効果を発揮するという基本構造を有する。この構成の場合、個のパワー伝達棒にからむ損失や発熱が、また制御性、操作性の悪さが問題である。本研究の提案するのは振動子とアプリケーターないし切り刃を直結した物をトロカールの体内側に送り込んで作業しようという物である。こうすれば従来大問題であった伝達棒の支持方法や支持に伴う損失と発熱、ないし伝達棒ごとの高次共振モードを利用する事による共振点追従制御の難しさなどが解消ないし低減されると考えられる。ただし、トロカールの中に通せる寸法(直径10mm程度以下)の小さな振動子でもって欲しいパワーが出せるか、放熱ないし冷却の方法はどうか、などの問題はある。以上に関して、研究の現状を報告する。
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-06-15