大阪警察病院における膀胱癌初発症例の臨床的検討

概要

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(目的)膀胱癌初発症例の治療成績について検討する.(対象)1991年1月から2002年12月までに当科で治療した膀胱癌初発症例282例を対象とした.T分類上の患者の内訳は,Taが127例,T189例,T227例,T318例,T48例,Tis13例で,そのうち7例に初回治療時に転移が認められた.表在癌患者は主としてTURと膀胱内注入療法の併用で治療された.浸潤癌では膀胱全摘術を施行された症例は少なく,多くの症例でTUR,化学療法,放射線療法の3者併用による温存療法が施行された.(結果)全症例での5,10年非再発率は59.5%,44.3%,5,10年疾患特異的生存率は92.9%,85.9%であった.T別の5年疾患特異的生存率はTa,T1,T2,T3,T4,Tisでそれぞれ100,100,71.2,46.7(3年生存率),53.6,83.3%となり有意差を認めた.局所浸潤癌(T2〜4)全体の5年疾患特異的生存率は57.5%,TUR,化学療法,放射線療法の3者併用による温存療法施行例では70.2%であった.(結論)膀胱癌は各病期に応じた集学的治療の検討が必要である.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
2006-07-20