山口県東部地域における10年間の泌尿器科領域悪性腫瘍の疫学調査

概要

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(目的)癌発生頻度に関する報告はわが国において,特に泌尿器科領域では少ない.そこで泌尿器科悪性腫瘍の発生頻度を可能な限り正確に調査するため,疫学調査の原点に戻り,対象とする地域を限定した上で10年にわたり調査した.(対象および方法)調査対象地域は,山口県東部の8市(山口市,防府市,新南陽市,徳山市,下松市,光市,柳井市,岩国市),7郡(大島郡,玖珂郡,熊毛郡,都濃郡,佐波郡,阿武郡,吉敷郡)とし調査期間は,平成6年〜平成15年の10年間とした.調査対象疾患は,原発性の膀胱癌,腎盂尿管癌,腎癌,前立腺癌,精巣腫瘍の泌尿器科領域悪性腫瘍とした.調査対象は,各年の1月1日から12月31日までに新たに確定診断された症例とし,再発例及び前年より治療中の症例は除外している.調査対象期間以前に腎盂尿管癌として診断され治療後,経過観察中に膀胱内に発生した膀胱癌は除外した.調査方法は,各医療機関で確定診断された症例の事務局への届出方式とした.(結果)世界人口による年齢調整罹患率は,人口10万人あたり,膀胱癌は男女総計で6.52〜8.49人,腎盂尿管癌は0.76〜1.81人,腎癌は1.85〜2.68人であった.前立腺癌は10.57〜41.78人,精巣腫瘍は1.85〜2.68人であった.
2006-07-20