現代小学生の約束概念の発達 : 22年前との比較
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概要
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本研究では約束概念の発達を,「どの位守られるか」の問題ではなく,どのような状況では約束を守り,どのような状況では約束ではない他の状況を優先して約束を破棄するのかの観点から,現代の小学生の発達について1981年のデータと比較しながら検討することが目的である。小2,4,6年生を対象に,拘束性が異なる4つの約束場面を設定し,約束を守ることと相反する7つの状況が生じた時にどうするかを3件法で選ぷ質問紙法の調査を行った。各項目への回答,及びそれらの得点から構成された5種類9コの合成変量に関して分析を行った。現代の小学生も22年前と同様,学年と共に拘束性のある約束を守るようになり,また大人志向が減るという発達的傾向があることが示された。22年前と異なる点は1)大人からの圧力で約束破棄することの減少,2)「他者の気持」が関与する状況では約束を破棄する傾向,3)6年生で「集団内の義務」を果たすために約束破棄することの減少が見られた。近年指摘されている「規範意識の稀薄化」と関連させて考察がなされた。
- 日本教育心理学会の論文
- 2006-06-30
著者
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